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再会

T君との運命的?な再会を果たし、新しい世界へと突き進み始めた私…春を思う多感な時期でも有った私ですが、他に興味を持たせない程、その世界は魅力的な世界でした…

当時の『開店回り』は、先ず簡単に大金を手に入れることが出来、更に、大好きなパチンコでほぼ100%に近い確率で勝てる!!それはもう夢の様な世界でした。1軒の店で負ける事も有りましたが、新装の店はエリアを広げれば何処かの街で必ず行われていましたので、二人で行動範囲を広げ、様々な街に訪れ毎日プラスの日々を積み重ね、かなりの金額を稼いでいた記憶が有ります。正直な所『バイトなどやってられない!!』そんな気持ちになったのもまた事実です。


今は情報過多の時代。日本全国のホール情報はPCで検索可能ですし、必用ならば直ぐに携帯電話で連絡を取り合う事も可能です。ですが、当時それらの類は普及しておらず、連絡を取り合う手段はポケットベルと公衆電話のみ情報収集はスポーツ新聞と自分の足だけが頼りでした。

そんな状況下の中、スポーツ新聞の求人欄から処女オープンのホールを探し、事前に調査打ち合わせすることで効率の良い立ち回り方法を考える二人。当時の新装開店は店や地域によって違いは有るものの、半年~一年に一度のスパンで大きな入替が存在しており、店側も『玉が無くなるまで出し続ける!!』など過激な店が多かった時代。今では到底考えられない話ですが当時はこれが当たり前の様に何処かの街でお祭りが行われてる状況でした。


夢の様なパチンコの世界に魅力を感じ引き込まれ始める私。T君と行動を共にする様に成り、次第に学校に行く事すら面倒に成り始めた時期でも有りました。朝何時もの様に学校に行くフリをし家を出て、最寄の駅でT君と待ち合わせる。通学カバンに用意してた私服に駅のトイレで着替え、開店回りに不必要な勉強道具はコインロッカーに投げ込みいざ夢の世界へ。当時の入替情報の殆どはT君が入手済み。その日有る新装は全て手帳にリストアップされていました。

開店時間には様々なパターンが有り。通常営業以外には12時・3時・6時の3種類が有り。私たちの立ち回り方法は、地元の店(平常営業)でスロットモーニング狙い!それを元手に12時→3時→6時開店を回る手法を取っていました。その中でも6時開店は過激で非常に人気が高く、理由は先程も延べましたが、玉が無くなるまで出す!過激な店が多く、入場時には怪我人が出る店が有ったほど危険極まり無く過激なものでした。


私が高校生の分際でありながら、開店周りを生業としていた当時(笑)最も印象に残った新装開店が2軒有ります。先ずは私の地元駅前に出来た新築処女オープンのお店…

新規オープンともなれば、店の威信をかけて釘調整をしてくる。台さえ取れれば数万円の金がいとも簡単に転がり込んでくる世界。そんな事を考えると…もう開店の何日も前からソワソワ浮き足立ち、学校帰りの制服のまま、ピカピカな店内を連日の様にガラス越しに覗いていた。

デジパチ等は親指2本足しても入るほどのガバ開き調整・羽根物に至っては、見た目で笑えるほど、あからさまに開けて有る。恐らくどんな打ち方をしても出てしまう様な釘調整。そんな過激な調整をパチンコ打った事の有る人なら誰でも一度は経験したい!と思うのがごく普通の発想。当然ライバルは開店プロから一般市民そしてそして怖い人、もうみんなが狙って来て当然だった。


《地元のD店新築オープン》

そしていよいよ開店の日。この日は学校をサボり開店の5時間前から並ぶつもりでT君と新規店に向かった。するとその先頭に陣取る見たことの有る人物…悪友のS君だった。彼に台を確保してくれないか?お願いすると快く引き受けてくれたので一旦その場所を離る。

日が落ちて、辺りが暗く成り始めるとお店の入場口付近は黒山の人だかり。開店を今か今かと皆が押し合い始め、辺りに異様な緊張感が漂い始めた時。事件は起こってしまう。

2箇所有る入場口右側のガラスが、人の押す力に耐え切れず崩壊『ガシャーン』と言う音と共に、一斉に店内になだれ込む人達…割れて危険な状態のガラスを皆掻い潜る様に我先にとなだれ込んで行く姿は、もう人の姿をした動物。と言って良いほど凄まじい状況だでした。当然、私もガラスが割れた瞬間『鎖を離された犬』の様にピカピカの店内へかけこみ無事台を確保し勝利しました。と、ここまでは良かったのですが…悪友S君は6時間近くも左側の入り口で開店を待っていたのですが、不幸にも右側が臨時入場口に成ってしまった事で台が確保出来ない!!と言うかなり笑える悲劇も同時に見る事が出来たので印象に残っています。

ロールトップ


続いて2軒目…

こちらは学校の近所に出来た新規T店6時『シャッターオープン』での出来事です。シャッターオープンとは開店と同時にシャッターを上げ入場すると言う恐らくパチンコ至上最も危険でスリリングな入場方法の一つです。

何が危険か?先ずシャッターが降りた状態では何処が入り口なのか解らない。次にシャッターが動き始めた瞬間に人間から獣に変身する?(笑)と、言った所でしょうか。

当時、私は何度かシャッターオープンの恐怖を体験していましたので、危険な状況に成る事は十分承知していたのですが、あまりにも想定外の出来事が起こってしまい強く印象に残っています。


《学校近所の新築店》

開店時間が刻一刻と迫る中、辺りはいつもの様に緊張感に包まれ始める。『ギ~』と言う音と共に並んだ客が一斉にシャッターに詰め寄る・・・『ゴルァ~押すなぁ~・・・キャ~』罵声と怒号が飛び交う中、先頭は地面に顔をへばりつける様にシャッターをくぐり抜け目的の台へ、2番目以降の人は後からの圧力でしゃがむ事が出来ずシャッターに押さえつけられる。此処までは想定内でしたが…なんと人の力でシャッターが『へ』の字に曲がってしまいシャッターが上がらない!!地面から60cm位上がった所で止まってしまい、半分以上閉じたままで新規オープンスタートと成ったお店が有りました。

振り返れば様々なシーンを思い出しますが、特に印象に残った新装開店は先に書いたこの2軒かと思います。あまりの居心地の良さに高校生で有る事を忘れ、パチンコの世界の魅力に私はズブズブと引き込まれて行くのでした。

当時印象に残ってる3台
マジックカーペット
ロールトップ
シャトル21


【続く】

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